お祝いの時などに飲まれるお茶。日本人の桜好きからか、桜に対する思いは昔からはかり知れないもので、桜の利用という面では、桜の葉の塩漬けだけではなく、桜の花の塩漬けもあります。
昔から、結納や結婚式などのお祝いの席では、「花開く」と縁起がよいものとして、桜茶でもてなす習慣があります。器の中に桜の花を塩漬けにしたものを置き、静かにお湯を注ぎます。塩漬けにした桜の花をお湯に浮かべ、ふわりと花が開いたところで飲む。桜の花の香りと器の中に広がる花びらが満開の桜の季節を想わせ幸せな気持ちになります。
あの桜独特の香りを作っているのは、クマリンという成分をはじめとする数種の芳香成分。これらには心をほぐし、しあわせな気分にしてくれる作用があるのだとか。散った花びらをお風呂に浮かべるだけでも、香りやリラックス効果が楽しめるかもしれません。また、花びらは二日酔いにも効果があるそうです。花びらを塩漬けにしておくと、桜湯にしたり、お料理のアクセントなどとしても楽しめるので、もし手に入るなら作っておくのもオススメかも。
(おまけ:結納などの祝い事に出される「桜湯」。いまやめでたい飲み物として知られていますが、江戸時代初期までは縁起の悪いものと見られていました。というのも、桜は散り際になると急速に色あせていきます。これを「桜ざめ」といい、気持ちがさめることに結びつけられて、結納などのめでたい席では敬遠されていたそうです。しかし江戸中期以降からは、「桜咲く=めでたい」という印象になるとともに、お茶は「お茶を濁す」「茶々を入れる」という意味に通じるため、用いられなくなったことから、桜湯の出番が増えたというわけです。)
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